月状骨軟化症、キーンベック病
 
症状と経過

 大工,鍛冶屋などハンマーを使い続ける職業の人が手関節痛を訴えたらこの疾患を考える.
橈骨が尺骨より長いことによって,月状骨に過剰な負荷がかかることが原因の場合もある.
 手関節の運動痛,可動制限,圧痛,軽い腫脹などの症状がある.

病態


 月状骨は軟骨で囲まれている部分が多いので,もともと栄養血管に乏しい.
小外傷が繰り返されることによって起こる無腐性壊死が本態である(図9-9,10).

 X 線所見から4期に分類されている(図9-11).

 T期:ほぼ正常か,かすかな骨折線が認められ,MR 画像で明らかな異常がわかる.
 U期:月状骨の硬化像がみられる.
 V期:月状骨の圧潰,分節化が起こり,手根骨の配列が異常となる.
 W期:関節裂隙の狭小化が起こり,手関節症の所見となる.

9-9 9-10 
  9-11


治療


・ハンマーなどの衝撃が加わる作業を制限することが基本である.しかし熟練工になりかけてい
 る場合が多いので,作業を中止することは困難である.手関節の固定装具やサポーターを着用
 して経過をみているうちに,衝撃的作業も制限され,痛みが軽減することが多い.

・激しい痛みが続く例には手術も考慮される.月状骨を切除して,球状にした腱を移植したり,
 橈骨を短縮したりする.手関節症に移行した場合は部分的手根骨間固定術が適応となる.



   

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