手関節の関節リウマチ
 
症状と経過
 
 手関節は関節リウマチ病変の好発部位である.朝のこわばり,両側手関節や指の関節腫脹・熱
感や疼痛が重要な臨床症状である.手関節の背屈が制限されて,立ち上がるときに手掌をつけな
い.回外が制限され茶碗を持てない.背側亜脱臼を起こしている尺骨頭を押し込むとピアノキー
のように引っ込み,離すと戻る徴候をピアノキーサインと呼ぶ.

 関節破壊が進行すればいろいろな変形を残したり,骨性強直を起こして,手関節がまったく動
かなくなったりする.手関節の炎症が伸筋腱の腱鞘に波及して伸筋腱の皮下断裂を起こす.

病態


 手関節のX 線像がリウマチステージ分類の診断に役立つ(図9-3).

》初期
 骨端部の骨萎縮がみられるが骨破壊はない.

》中期
 軟骨の破壊が始まり,関節裂隙が狭くなる.軟骨下骨の軽度の破壊も起こり,骨の輪郭が乱れ
 てくる.

》進行期
 骨の破壊が進み,亜脱臼や尺側偏位などの変形を起こすが,線維性または骨性強直までには
 至っていない.

》末期
 手根骨が破壊された後に癒合して,8個の手根骨が一塊となり,線維性または骨性強直を起こす.

9-3


》関節リウマチの診断基準
 @ 3関節以上の圧痛または他動運動痛,A 2関節以上の腫脹,B朝のこわばり,Cリウマトイ
 ド結節,D赤沈20mm 以上の高値またはCRP 陽性,Eリウマトイド因子陽性,の6項目中で3
 項目以上を満たすものを関節リウマチと診断する.両手関節の運動痛,腫脹,朝のこわばりがあ
 れば,本症の可能性が高い.

治療


 抗リウマチ薬や抗炎症薬による全身管理を行う.衣服の着脱,整容・食事動作などの日常動作
の障害に対して自助具などを工夫して,生活の自立を図る.


   

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