手根不安定症、尺骨突き上げ症候群
 
9-15
9-16



手根不安定症

 手根骨間の靱帯損傷などに起因し,手根骨間
の配列異常によって起こる手関節症状の総称で
ある.手関節の疼痛,可動域制限,握力低下な
どの症状を訴える.舟状骨周囲脱臼はもちろ
ん,手関節の捻挫などの後に愁訴が続く場合に
は本症を考えて詳しく調べる必要がある.スト
レスを加えての手関節運動で異常を触知した
り,轢音が聞こえる.

 まずX 線像で手根骨の配列異常を確かめる.
両側手関節を撮影して比較するのがよい.
 正面像で舟状骨と月状骨との間隔が拡がって
いないかを確認する.橈骨の長軸に対して月状
骨の傾きや舟状骨の傾きに異常がないかを確か
める(図9-15).

 配列異常が軽度な新鮮例では徒手整復や鋼線
固定を行う.陳旧例で障害が強い場合には靱帯
再建術や部分的手関節固定術などが行われる.










尺骨突き上げ症候群


 橈骨と尺骨の遠位端は同じレベルになってい
るのが普通である.しかし尺骨が橈骨より長く
て突き出ていることがあり,これを尺骨プラス
バリアントという.橈骨遠位端骨折後に橈骨短
縮が起こった結果の例が多いが,先天的に尺骨
が橈骨に比べて長い例もある.尺骨頭が三角線
維軟骨を突き上げるので,三角線維軟骨が損傷
され,さらに手根骨にも突き当たって手関節痛
の原因となる(図9-16).

 尺骨の短縮骨切術や尺骨頭切除術が行われる.



   

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