| 狭窄性腱鞘炎、ドゥ・ケルバン病 | ||
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【症状と経過(図9-1)】 中年女性に多い腱鞘炎である.20-30歳台で 妊娠,出産の時期に発症することもある.手指 を使いすぎた後に,母指の付け根から手関節橈 側にかけての痛みをきたす.この部位の圧痛が あり,発赤,腫脹もみられる.靱帯が肥厚して 硬くなった部分を触れることもある. 母指を内側に入れて握り,手関節を尺側に曲 げると,痛みが増強する(フィンケルシュタインテスト). 【病態(図9−2)】 とができる骨の部分を橈骨茎状突起という. この突起の上を走る短母指伸筋と長母指外転筋の 腱はしっかりした靱帯性腱鞘で囲まれて,横ず れが起こらない構造になっている. この狭いトンネルの出口から先は母指の多方 向の運動に対応して腱の方向転換ができるよう になっている.手指の使いすぎによって,この 部位に炎症を起こす.更年期や妊娠,出産など 「むくみ」を起こしやすい傾向が関連している と考えられる. 【治療】 ・自然に治癒する病気であるが,手指を使う仕事をできるだけ避ける.副子固定によって局所の 安静を保つことが有効である.しかし水仕事の多い女性では,副子を付け続けることは難しい のが実情である. ・副腎皮質ステロイド薬入り局所麻酔薬を局所に注射することもあるが,注射そのものが痛い. ・非常に難治な例には腱鞘切開術が行われる.この部位に併走している橈骨神経浅枝は破格が多 いので,損傷しないように注意する. 【手背の腱鞘炎】 手背に走っている手指の伸筋腱にも類似な靱帯性腱鞘があるので,比較的少ないが腱鞘炎を起 こす.かつては手作業での田植えなど農作業後の手背の腫れが起こり,「こうで」と呼ばれてい たが,これも腱鞘炎である. |
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