変形性肘関節症
 
症状と経過

 鉱工業,農林業,建築業など腕をよく使う仕事の人やスポーツを激しく続けた人が,中高年に
なって肘の痛みや運動制限をきたす疾患である.投球動作,テニス,作業などで肘を衝撃的に伸
展するときにとくに痛い.変形があっても衝撃を加えるような動作をしなければ痛みは少なく,
衝撃動作を続けると痛みと手指のしびれが強くなる.関節に水が貯まることもある.骨棘や肘関
節の腫れによって,尺骨神経が圧迫され,示指と小指のしびれをきたす.夜間に寝ていて指がし
びれて困るようになる.シャツの上のボタンに手が届かなくなる.

病態

 繰り返しの外力によって関節軟骨が摩耗し,関節裂隙が狭くなり,関節端周囲に骨棘が現れる
(図8-5).若い頃の関節内骨折や脱臼,離断性骨軟骨炎などにも続発する.鉤状突起の先端にで
きた骨棘が鉤状窩にできた骨棘とぶつかって屈曲制限をきたし,肘頭の先端にできた骨棘が肘頭
窩にできた骨棘とぶつかって伸展制限をきたす.肘頭窩や鉤状窩に遊離体がみられることもある.

 机の角に肘の後方をぶつけると響く場所があるが,尺骨神経の通っている溝で肘部管といわれる.
この溝が骨棘によって狭くなり,尺骨神経の圧迫症状を起こすことを(図8-6),肘部管症候群という.


8-5  8-6


治療

・衝撃的な伸展動作を避けることが基本である.

・日常動作に支障をきたすほどの屈曲制限があったり,遊離体が嵌頓して激しい症状が出たりす
 る場合は手術の対象となる.尺骨神経麻痺症状が進行する例には尺骨神経移行術が行われる.



   

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