反復性肩関節脱臼、習慣性肩関節脱臼
 
症状と経過

 外傷性肩関節脱臼後に繰り返して脱臼する状態を反復性肩関節脱臼という.初回脱臼の年齢が
若いほど,高率に反復性となりやすい.投球動作やテニスのサービス動作などで脱臼することが
多いので,患者は常に脱臼するのではないかと心配になる.肩を挙上していったときに,腕が死
んだように動かなくなると訴えることもある(dead arm sign).初回脱臼に比べて容易に整復さ
れるが,整復されやすいほどより不安定であることを示している.
外傷性脱臼の経験がなく,両側性に脱臼する場合は習慣性脱臼といわれ,もともと関節が弛緩
している体質に起因する.非外傷性肩不安定症や動揺肩(loose shoulder)とも言われる.

病態

 外傷性肩関節脱臼では関節包,関節唇などの軟部組織の損傷を伴っている.脱臼が整復されて
も,これらの軟部組織修復が不完全状態が残ることが原因である.脱臼を繰り返すことによっ
て,二次的に上腕骨骨頭の陥凹(ヒル-サックス損傷)(図7-18,19)や関節唇の剥離,関節臼窩縁の
骨折(バンカート損傷)を起こす(図7-20).

7-18  7-19

7-20


治療

・初回の外傷性脱臼を整復した後に,3-6週間
 固定することによって反復性脱臼への移行を
 予防することが重要である.肩周囲筋の筋力
 増強,投球フォームの変更などを試みる.

・保存療法で改善されない症例には,病態に応
 じてさまざまな手術が行われている.

   

トップへ移動
トップへ戻る
前のページに戻る
前のページへ戻る