肩峰下インピンジメント症候群
 
症状と経過

 肩を上げていくとき,ある角度で痛みや引っかかりを感じ,それ以上に挙上できなくなる症状
の総称である.こわばり,筋力低下なども伴い,夜間痛を訴えることもある.五十肩はすべての
方向に動きが制限されるが,インピンジメント症候群では主に側方挙上が制限される.肩を挙上
するとき,あるいは挙上した位置から下ろしてくるとき,ほぼ60-120°の間でとくに強い痛みを
感じることがあり,有痛弧徴候(painful arc sign)といわれる.

 投球動作など腕をよく使うスポーツ選手に多い.肩峰がもともと下方に突出している場合や肩
峰下に骨棘ができた場合は,スポーツに関係なくどの年齢層にも発症する.

病態

 手の平を下に向けて肩を挙上していくと,150-160°くらいで止まってしまうが,ここで手の
平を上に向けるとさらに挙上できる.手の平を下に向けた状態では肩関節は内旋位となってお
り,大結節が肩峰に突き当たる状態になる.このときに棘上筋や肩峰下滑液包などが2つの骨間
に挟み込まれているが,正常ではうまくスライドしている(図7-14).肩の使いすぎによって,滑
液包に浮腫や出血が起こる.安静にするとこの変化は正常に戻り症状は軽快する.しかしさらに
繰り返して刺激が加わると滑液包周辺が固く肥厚するので,症状の再燃を繰り返す.さらに進行
すれば,腱板の部分断裂となったり,肩峰下骨棘ができたりして,治りにくくなる(図7-15).

7-14.JPG 7-15.JPG 

治療


・投球動作など痛みを感じる動作を避けることが治療の基本である.温熱療法や副腎皮質ステロ
 イド薬局所注射が行われる.

・難治例には肩峰の前下面を切除したり,烏口肩峰靱帯を切離したりする.

   

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