肩鎖関節脱臼
 
症状と経過

 肩の外側をついて転倒したときに起こる.ラグビーや柔道,相撲などのコンタクトスポーツに多い.
肩の上でもっとも突出している骨の部分を肩峰というが(図7-12),その上に脱臼した鎖骨の外
側端が突出し階段変形を呈し,肩峰と鎖骨との間のギャップに圧痛がある.この鎖骨を上から押
さえると整復位となり,階段変形は見えなくなるが,押した手を離すと元に戻る.ピアノキーの
動きに似ているのでピアノキーサインと呼ばれる.
 陳旧例ではあまり痛みを訴えず,階段変形を残したままで相撲をとっている力士もいる.しか
し外見上気になることと,肩の動きが制限され,力が入りにくいなどを訴えて受診することもあ
る.

病態

 肩鎖靱帯だけの断裂では大きい転位は起こらず(図7-12),烏口鎖骨靱帯の断裂を伴うと著明な
転位を起こす(図7-13).

7-12 7-13 


治療

・軽傷例ではテーピングテープで鎖骨を上から押さえ,患肢を三角巾で吊っておくだけで治る.

・完全脱臼例では整復位として,キルシュナー鋼線を肩峰と鎖骨端に貫通する.陳旧例では烏口
 鎖骨靱帯の再建が必要になることもある.高齢者で痛みを残す例では,突出した鎖骨端を切除
 する.

   

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