| 手根管症候群、正中神経麻痺 | |||
| 【症状と経過】 夜間に母指,示指,中指のしびれや痛みで目が覚めるというのが初期症状であることが多い. 母指,示指,中指の感覚が鈍くなり(図6-5),母指を十分に開けなくなり,対立運動すなわち 「つまみ動作」が困難となる(図6-4).短母指外転筋や母指球筋が萎縮する.猿の手に似た外観と なるので「猿手変形」(ape hand)といわれる.手関節掌側で正中神経を圧迫したり,叩いたり すると母指や示指に放散する痛みを誘発される.手関節を1分間屈曲位に保持させるとしびれが 増強したり,逆に背屈位で保持させてもしびれが増強したりする. 中年以降の女性に多く,透析患者にもみられる.両側に発症することもある.
【病態】 手関節の掌側には多数の屈筋腱と正中神経が通っているトンネルがあり,これを手根管とい う.手の使いすぎ,腱鞘炎,アミロイド沈着,妊娠後の全身浮腫などによって,正中神経が圧迫 されて起こる症状である(図6-6).
【治療】 まず手指を使う作業を制限し,消炎鎮痛薬を使用してみる.副腎皮質ステロイド薬の手根管内 注入や,手関節を中間位で固定する装具を使用する.保存療法で効果がないときは横手根靱帯を 切離して,正中神経の圧迫を取り除く. |
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