| 頭蓋底陥入症、歯突起形成異常 | ||
後頭骨から第2頚椎までを頭蓋頚椎移行部と呼ぶ.この部分は,重たい頭蓋骨を支えながら, 大きな可動性を維持するため,構造が複雑であり,さまざまな先天異常が発生する. 【頭蓋底陥入症】 大後頭孔骨縁が後頭蓋窩内に陥入した状態で,軸椎(第2頚椎)の歯状突起が大後頭孔内に陥入 する(図5-24).先天的な後頭骨発育異常のほか,関節リウマチ,脊椎腫瘍,ダウン症候群,パ ジェット病,くる病などで後天的疾患に合併することもある.延髄や上部頚髄は前方より圧迫さ れる.軽度の頭蓋底陥入では無症状で経過する.多くは中年以降に頭痛,めまい,構音障害,眼 振,小脳運動失調,上(下)肢の運動・感覚障害を訴える.環椎後頭骨癒合症,クリッペル-フェ イユ症候群,キアリ奇形などを合併していることが多い.X 線像でいろいろな基準線が提唱さ れている.例えば硬口蓋後端と後頭骨最下端を結ぶ線(マグレガー線)より5mm 以上歯突起が 陥入しているとき頭蓋底陥入症と診断される. 》治療 症状が進行した例には後頭骨下部・環椎後弓切除術や経口的前方除圧固定術が行われる. 【歯突起骨、歯突起異形成】 軸椎は複雑な過程を経て形成されるので,歯 突起の形成異常を起こすことが多い(図5-25). 歯突起が形成されていなかったり,小さい歯突 起骨(os odontoideum)が椎体と分離していた りする.ダウン症候群に合併することが多い. 歯突起骨折後の偽関節と紛らわしい例もある. 歯突起は環軸の前方移動を防止しているので, 歯突起異形成があると環軸関節の亜脱臼を引き 起こし,重篤な脊髄圧迫症状が出現する.開口 位での頚椎前後や前・後屈位での頚椎側面像で 不安定性を確認する. 》治療 不安定性のある症例には整復位での環軸間後 方固定術や経口的前方固定術が行われる. |
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