脊髄動静脈奇形

症状と経過

 脊髄動静脈奇形は髄内動静脈奇形,傍脊髄動静脈瘻,脊髄硬膜動静脈瘻に分類される.脊髄硬
膜動静脈瘻は40歳以後の男性に多い.徐々に進行する下肢麻痺,症状の軽快と増悪を繰り返す.
感覚障害のレベルも一定せず,神経根刺激による激痛を伴うことがある.発症高位は下位胸髄,
腰髄および脊髄円錐で,脊髄円錐に発症すれば膀胱直腸障害を起こす.不定の脊髄麻痺症状を認
める例では,本症の存在を念頭においてMR 画像検査を行う.

病態

 硬膜動静脈瘻は,何らかの後天的要因によって,神経根に伴走する動脈と硬膜の静脈との間に
動静脈瘻(シャント)を形成する(図5-14,15).その結果,怒張した静脈による圧迫や慢性的な髄
内阻血によって麻痺症状を起こす.T 2強調画像で脊髄背面の硬膜内髄外に怒張した血管陰影が
見られ,ガドリニウムで強調表示される.最近ではむしろ選択的血管造影が行われ,流入動脈,
ナイダス(吻合巣),導出静脈が確認される(図5-16,17).傍脊髄動静脈瘻は20歳以下にも発生
し,くも膜下出血を起こす.髄内動静脈奇形は幼児期と青年期に発生し,脊髄内出血を起こす.

 5-14 5-15 
 5-16  5-17

治療

 椎弓切除をして脊髄後面に達しシャント部をクリップする.主シャント部を決めることが難し
く,静脈瘤の摘出できる例は限られている.選択的血管造影によって流入動脈を探り,人工塞栓
術(エンボライゼーション)を行う方法も開発されている.


  

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