| 破壊性脊椎関節症、脊髄空洞症 | |||
【破壊性脊椎関節症】 長期透析患者に脊椎や関節の破壊を起こす疾 患である(図5-11).透析期間が5年以上の患者 の20-30%にみられ,高齢者ほど高頻度であ る.頚椎に発生することが多く,腰椎にも発生 する.初期症状として頚椎の不安定感,項部痛 や上肢への放散痛を訴える.破壊が進行すれ ば,頚髄麻痺を起こす. X 線像では椎間板に近接する椎体の破壊像, 椎間板の狭小化,椎体間亜脱臼やずれ,後弯変 形などがみられるが,骨棘が形成されないこと が特徴である.長期の透析患者には定期的な頚 椎X 線撮影が必要である. 透析によって発生したアミロイドが椎体に蓄 積し,異物排除反応としてマクロファージや破 骨細胞が動員された結果として骨破壊が起こる. 》治療 早期発見例では,臥床安静や頚椎カラーの装 着によって破壊の進行が停止する例がある.頚 髄症が進行した例には,後方除圧術や前方除圧 固定術が行われる. 【脊髄空洞症】 種々の原因により脊髄に空洞を形成する慢性 進行性の疾患である.まれな疾患であるが, MR 画像の普及により診断される症例数が増加 している.脳の先天性奇形(キアリ奇形)に合併 する例が半数ほどで(図5-12),脊髄の外傷や腫 瘍にも合併する.性差はなく20-30歳台に発症 するが,小児の脊柱側弯症にも合併する.特徴 は温覚と痛覚の障害である(図5-13).腕を強く つままれても,触れられているという感覚はある のに痛みを感じない,あるいは火傷をしても熱さ を感じないという訴えが多い.進行すれば,上肢の 遠位つまり手指に優位な脱力と筋萎縮から下肢の 痙性麻痺となる.しかし症状の進行が停止したり, 改善したりする例もある. 》治療 日常生活の支障が大きく,しびれや痛みが激 しい場合には後頭蓋窩減圧術,空洞-くも膜下 腔短絡術などの手術も行われる.
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