脊髄腫瘍

脊髄腫瘍

 両下肢の麻痺が進行性であり,原因らしい脊椎のX 線変化がみあたらない場合には,脊髄腫
瘍の可能性を考えMR 画像検査を行う.腫瘍と脊髄あるいは硬膜との位置関係から硬膜外腫瘍,
硬膜内髄外腫瘍,髄内腫瘍に分類される.

》硬膜外腫瘍(図5-8)

 脊柱管内の硬膜外に発生する.乳がん,肺がん,悪性リンパ腫などの転移性腫瘍が多い.原発
性腫瘍としては神経鞘腫や脂肪腫などがある.脊髄造影では硬膜管が先細りの像を示すが,MR
画像でも硬膜管自体の圧迫像がわかる.

》硬膜内髄外腫瘍(図5-9)

 硬膜内に発生し脊髄を外から圧迫する.全脊髄腫瘍65%を占め,神経鞘腫と髄膜腫が多い.
神経鞘腫は脊髄後根のシュワン細胞から発生することが多く,髄膜腫も神経根鞘から発生するの
で,発病初期に一過性の神経根刺激症状を伴う.脊髄造影では拡大した硬膜管内に境界鮮明な騎
跨状停止像を呈するが,MR 画像でも髄液と腫瘍の境界が明瞭である.神経鞘腫は髄膜腫と比較
してくりっと分界されており,腫瘍の摘出が容易である.髄膜腫は発生母床の硬膜を含めて摘出
する必要がある.腫瘍が椎間孔を通って脊椎外に拡大し砂時計状となることがある.

》髄内腫瘍(図5-10)

 脊髄実質内に発生する.腫大した脊髄内に腫瘍が認められる.組織学的には上皮腫,星状細胞
腫,血管芽腫,海綿状血管腫などである.脊髄を切開して腫瘍を摘出あるいは切除するが,完全
摘出は容易でない.

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