胸椎後縦靱帯骨化症、黄色靱帯骨化症

症状と経過

 頚椎後縦靱帯骨化症については「頚・肩・腕痛」のページで詳しく述べた.このページでは胸椎の
後縦靱帯骨化症と黄色靱帯骨化症について記述するが,頚椎後縦靱帯骨化症と合併している例
も多いので,上肢の症状にも注意する.歩行時に足が持ち上がらない,ふらついて片脚で立って
いられない,階段の登り降りに手すりに頼るなど,下肢の不全麻痺が徐々に現れる.下肢の感覚
低下も伴うので,腰部脊柱管狭窄症による歩行障害と紛らわしいが,腰痛の訴えは軽く,間欠性
跛行を示さない傾向がある.

病態

 後縦靱帯骨化症,黄色靱帯骨化症ともに胸椎下部から腰椎上部に多いので,胸腰椎移行部の側
面X 線像を注意深く観察する.椎体後縁にへばりついた骨化巣がみられれば後縦靱帯骨化症を
疑う(図5-5).黄色靱帯骨化症は側面像で椎間関節から椎間孔にくちばし状に突出した骨陰影を
認める(図5-6).断層X 線撮影,CT 横断像やMR 画像で確認する.


 5-5 5-6 
 5-7


治療

 脊髄麻痺症状が進行した例には手術が行われ
る.後縦靱帯骨化症を前方から摘出するため
には胸郭を開かなければならないので,高度
の技術が必要ではあるが,後方進入前方除圧
術が開発されている.

 黄色靱帯骨化症に対しては椎弓切除術が行わ
れる.骨化巣を椎弓と一緒に摘出した標本を
みると,X 線像でみられた小さい骨化巣が
かなり大きい隆起物であることがわかる(図5-7).

  

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