放射線脊髄障害、結核性脊椎炎(ポット麻痺)

放射線脊髄障害

》重症型

 放射線照射後半年〜数年(平均2年)で発症する.下肢の脱力に始まり,しばしばブラウン-セ
カール症候群(脊髄半側麻痺)を呈し,最終的に対麻痺となる.MR 画像ではT 1強調で低,T 2
強調で高輝度を呈する.

》軽症型

 頚部や背部に電撃痛を感じ,自然に軽快する一過性の脊髄障害もあるという.
放射線治療が頻繁に行われるようになったので,脊髄にも障害を及ぼすことを念頭におく必要
がある.

結核性脊椎炎

 結核性脊椎炎(図5-26)は「脊椎カリエス」と呼ばれ,かつては代表的脊椎疾患であった.背部
痛や腰痛で初発するが,脊椎が1本の棒のように動かすことができなくなる症状すなわち脊椎不
撓性が重要な症状である.椎体が破壊されて亀背となる.
 結核の肉芽組織,膿瘍や乾酪物,腐骨によって脊髄が直接圧迫されて脊髄麻痺を起こす.ポッ
ト麻痺ともいわれ,胸椎カリエスでは麻痺が数日で完成することがあるので,その徴候が認めら
れたら直ちに病巣を郭清して脊髄の除圧を行うことが強調されていた.
 抗結核薬の普及によってカリエス自体も減少し,急激に麻痺が発症する例もまれとなった.
しかし亡国病ともいわれていた結核がなくなったわけではない.高齢者に発症したり,古い脊椎カ
リエスによる亀背変形に骨粗鬆症が加わって脊髄麻痺を合併する例がある.高齢化,糖尿病や肺
機能障害の合併などによって積極的治療に難渋する例もあるが,新しい抗結核薬の使用下に病巣
掻爬・脊椎固定術の手技が進歩している.

5-26


  

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