先天性筋性斜頚、痙性斜頚、先天性骨性斜頚
 

先天性筋性斜頚

》症状と経過
 新生児や乳児が首を片側に傾げ,顔面は対側に向けている異常である(図3-8).傾いている側
の耳の後ろから胸の前上方にかけての筋肉,すなわち胸鎖乳突筋が緊張していて,頭を正しい位
置にしてやっても,すぐ元の位置に戻ってしまう.生後2-4週間くらいに,緊張した胸鎖乳突筋
に小指頭大から母指頭大のしこりを触れる.

》病態
 子宮内あるいは分娩時に胸鎖乳突筋に何らかの外傷が加わり,この損傷の修復過程にしこりが
発生すると考えられている.しこりは瘢痕に類似したもので,自然に軟化し,縮小する.一部が
索状瘢痕として残るが,この索状物が筋肉内に占める割合が少なければ,斜頚位は目立たなく治
る.太い索状物が残れば,斜頚位も残る.斜頚位のままで寝かしておけば,その対側の後頭部が
扁平となり,重症例では顔面の変形も起こる(図3-9).


3-8 3-9 

》治療
@マッサージや徒手矯正は無効である.後頭部の扁平化を防ぐ目的で,斜頚位のまま寝かし続け
 ないことが治療の基本である.砂囊や矯正枕で矯正位をとらせるには限界があるので,親の手
 で頻回に頭の位置を直してやることが重要である.
A生後6カ月以上経過しても斜頚位が残り,太く緊張した索状物を触れる場合は胸鎖乳突筋の腱
 切り術を行う.
3-10

痙性斜頚

 成人に起こる斜頚で,ひくひくと不随意に斜
頚位となる(図3-10).中枢神経の障害や心因的
要因が関与しているので,精神科,神経内科や
脳神経外科などの診療が必要である.


先天性骨性斜頚

歯突起形成異常,癒合椎,楔状椎など頚椎の
骨性奇形の症状あるいは胸椎側弯症の関連症状
として斜頚位を呈することがある.難治性斜頚
では脊椎のX 線検査が必要である.


  

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