強直性脊椎炎
 

症状と経過 図3-11、12)

 初期には腰背痛,胸痛,仙腸関節痛などを訴える。末期には脊柱全体が強直し,股関節,
膝関節,肩関節,肘関節など体幹に近い関節も強直して日常動作がきわめて困難となる.
頚椎は軽度屈曲位で動かなくなるので,身体の前方数メートルの限られた地点しか見ること
ができず,自分の足下も見られない.コップで水を飲むときには全身を軽度仰臥位としなけ
ればならない.股関節や膝関節が伸展位で強直すると,椅子に腰掛けることができない.
肩関節や肘関節の強直が進むと,食事動作や衣服の着脱も困難となる.胸郭の動
きも制限され,深く息を吸い込むことができない.顎関節も強直し,口を十分に開けることが
できない.

病態

 わが国での発生率は人口の0.04%となっているが,欧米における頻度はより高い.家系内発
生が高率にみられ,90%は男性であり,白血球抗原HLA-B 27が患者の95%に陽性であること
などから遺伝的素因が関与しているとされている.
 多発性の関節炎症が起こり,赤沈値は亢進するが,リウマチ反応は陰性である.虹彩網様体炎
や大動脈閉鎖不全や二次的に肺炎を合併することがある.
 関節破壊は表面的であるが,関節面間が癒合して強直となる.脊柱の靱帯が骨化し,竹節脊柱
(bamboo spine)を呈する(図3-12).本症の自然経過は一様ではなく,すべてが前記のような厳
しい状況になるとは限らない.約40%の症例が不自由のない生活を営むことができている.
3-11  3-12



治療

関節炎症に対してはインドメタシンやジクロフェナクナトリウムが有効とされている.強直に
なったとしても,日常動作に支障の少ない肢位を保てるように留意する.強直股関節には人工股
関節置換術がしばしば行われる.


  

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