骨粗鬆症による円背
  
 3-1

症状と経過

 骨粗鬆症が進むと,明らかな骨折の徴候なしに
脊椎の椎体前方がつぶれる.背中や腰がちょっと
痛いことがあった程度で,骨折としての自覚がな
い場合でも,脊椎圧迫骨折のことがある.
 明らかな圧迫骨折のエピソードがあって,一時
的に寝返りが困難であったということもあるが,
骨折自体は自然に治癒して,痛みは消失する.
 多数の椎体に圧迫骨折が起こった結果,脊柱が
丸く前屈変形した状態を円背という(図3-1).圧
迫骨折の起こる脊椎レベルによって,胸椎円背,
胸腰椎円背,腰椎円背に分けられる.いずれも女
性に多い.

病態


》胸椎円背 上位から中位の胸椎の圧迫骨折による変形で,背中の上の部分が丸くなる.前方
にせりだした頚椎は背屈位となり,肩こりの原因となる(図3-2).

》胸腰椎円背 胸腰椎移行部の圧迫骨折による変形で背中全体が円くなる.腰椎下部は逆に前
弯位となり,腰痛・下肢痛の原因となる(図3-3).

》腰椎円背 腰椎の圧迫骨折による変形である.腰痛を回避するために,強い腰曲がりを示す
ことがある(図3-4)

治療と対策


 背中や腰が丸くなっていても痛みを感じていないことが多い.無理して背中や腰を伸ばす必要
はない.深呼吸をすれば無理なく伸ばすことができる.時々横になって休むことが必要で,背臥
位をとれば2-3分で腰は自然に伸びる.胸椎円背では頚が前方に移動しているので,枕の高さを
調節する.


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