いわゆる腰痛症
 
 

症状と経過

 「ぎっくり腰」は急に腰がぎくっと痛くなった状態の総称で,さまざまな病態がある.ドイツ
語では ‘Hexenshus(魔女の一突き)’,‘Drachenshus(ドラゴンの一突き)’というが,英語圏では
これらに該当する表現はない.
 いつとはなしに徐々に発症し,慢性に経過する腰痛もある.また症状が良くなったり悪くなっ
たりを繰り返す例もある.
 腰の筋肉が骨盤に付着している部位に痛みを感じることが多い.物を拾い上げる動作,洗顔や
うがい動作が困難となる.腰痛だけでなく,下肢にひびく痛みやしびれを伴う場合は腰の神経に
何らかの障害があることを意味している.


病態


 皮下の浅い部位から深部の骨までさまざまな部位に痛みの原因がある.急に痛くなったか,
徐々に痛くなったか,痛みの部位は比較的に表層か深部かなどを吟味し,できるだけ特定の病名
診断を付ける(図 2-1).どうしても病名が付けられない場合に限って「いわゆる腰痛症」とする.
ぎっくり腰の多くは椎間板ヘルニアであるが,すべてではない.高齢女性のぎっくり腰は背骨の
圧迫骨折の可能性が高い.



2-1 


治療


 筋・筋膜性腰痛,靱帯性腰痛,椎間関節性腰痛は自然に軽快するものが多い.痛みを感じる動
作を避けることが大切である.消炎鎮痛薬の服用や湿布剤も有効.治癒傾向がない場合は深部の
異常について詳しく調べる.

  

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