外反母趾

 
症状と経過

  足の親指,すなわち第1足趾が小指,すなわち第5足趾の方向に曲がる変形である.小指側へ
 の運動を外反というので外反母趾と名付けられている.中年以降の女性に多い.10歳台に発症
 する例もあるが,母親や祖母にも発症していることが多い.足袋や鼻緒の付いた履き物を常用し
 ていた時代には,症状の訴えがなかった.靴や靴下を履いて長時間の立位を保つことが関与して
 おり,とくに先が尖ったハイヒールが影響するとされている.親指の付け根すなわち中足趾節関
 節が内方に突出し,靴と擦れ合って滑液包の炎症を起こし,痛みを訴える.バニオンといわれて
 いるが(図15-1a),ラテン語の“bunio”(突出)が語源である.進行例では第2足趾と重なってしまう。

病態

  扁平足では縦のアーチのみならず,横のアーチも扁平になるが 開排足という(図15-2).その
 結果,中足骨が内方に開いてくる(図15-1b)のが外反母趾のもともとの要因である.中足趾節関
 節より先が外反する.扁平足は遺伝的体質が関与しているので,外反母趾も遺伝的要因が関係し
 ている.このような体質の人に靴や靴下などの後天的要因が加わって発症する.関節リウマチに
 も合併する.

15-1
15-2


治療

 @先が尖った靴や靴下を履かないようにし,足ゆびの自動運動を行って予防する.前足部の横軸
  アーチを支える足底挿板を使用したり,親指と第2足趾間を広げる装具を使用する.

 Aバニオンを伴って痛みが強い例には手術を行う.突出した中足骨頭を切除し,軟部組織の緊張
  バランスを再建する方法,中足骨を骨切りして方向を矯正する方法など,変形の程度に応じて
  多彩な手術が行われている.


   

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