アキレス腱周囲炎、滑液包炎、アキレス腱断裂

  
14-4

アキレス腱周囲炎、滑液包炎

  足の使いすぎによってアキレス腱付着部に痛
 みと腫れを起こす(図14-4).アキレス腱周囲炎
 はアキレス腱とその周囲組織(パラテノン)との
 間の摩擦が繰り返されることによって発症する.
 アキレス腱付着部には表層と深層に2つの滑液包
 がある.表層の滑液包は皮膚とアキレス腱との間
 にあり,靴の後縁が当たって刺激される.
 深層の滑液包はアキレス腱と踵骨との間にあり,
 踵骨の後上縁にできた骨棘によって刺激される.

≫治療
  局所の安静が基本で,足底挿板や靴の交換を
 試みる.局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬の
 局所注射が有効である.
 
アキレス腱断裂

  “野球で一塁に駆け込もうとしたときに,一塁に送球されたボールが足に当たったと感じた”
 と説明する例が多い.またふだんはあまりスポーツを行っていない中年の人が運動会などで急に
 走り出した場合にも多い.最近は女性のテニス愛好者にもよくみられる.“アキレス腱部を後ろ
 から蹴られた”,“ぶちっと音がした”という訴えも多い(図14-5).

  アキレス腱断裂があっても非荷重時の足関節底屈は可能である.しかし足の踏みかえしができ
 ないので,引きずって歩く.アキレス腱付着部より数cm 近位に凹みを触れ,圧痛がある.下腿
 三頭筋を握ると,正常では足関節が軽く底屈するが,この現象がみられなくなる.
 14-5

≫治療
 ・ばさばさになったアキレス腱断端を揃えて,重ね合わせ,縫合する手術が確実である.尖足位
  で3週間ギプス固定後に,直角位のギプスに巻き替えて,歩行を開始するのが標準的である.

 ・手術せずに,尖足位でギプス固定する方法もある.ばさばさになった断端を揃える操作がない
  ので,固定期間は6-8週必要であり,再断裂のリスクも大きい.



   

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