果部骨折

 
症状と経過

  スポーツ外傷や交通事故によって頻発する骨折である.高齢者では転倒によっても容易に骨折する.
 かつてはスキー骨折の代表的な骨折であった.スキーの先端が雪にとられた状態で転倒すると,足関
 節に異常な外旋力が加わり内くるぶしの骨折,脛腓靱帯の断裂,さらに腓骨骨折を起こす.膝下まで
 覆うスキー靴が使用されるようになってから,スキーによる骨折は減少したが,サッカーやラグビーなど
 では同様な機序による骨折が多い.足関節に激しい痛みがあって,踏み立てることができない.
 足関節が腫れてきて,皮下出血が現れる.
 
病態

  足関節は脛骨内果と腓骨外果に囲まれたほぞ穴の中に距骨が収まっていて,これら3つの骨は靱帯
 によって結合されている.この構造によって足関節は横への揺れと回旋が防止されている.
 正常の足関節には外転・内転運動はないが,異常な外力が働くと,外転・内転方向にも動かされ
 る(図14-2).また足部の内転は距骨の内旋,足部の外転は距骨の外旋という異常運動を起こす.

  外旋骨折がもっとも多く,外果の螺旋骨折,内果の横骨折,前脛腓靱帯の断裂が起こる(図14-3).
 内転骨折では内果の骨折と外果先端部の剥離骨折が起こる.外転骨折では前脛腓靱帯の断裂,
 数cm 近位での腓骨骨折,三角靱帯の断裂あるいは内果の剥離骨折が起こる.

 14-2 14-3


治療

 ・脛骨と距骨との関節面の適合を修復することが治療の要点である.距骨と外果・内果の内面と
  の隙間に注意して判断する.

 ・関節面の適合が保たれていて,転位の少ない果部骨折ではギプス固定を行う.

 ・転位がある例には手術が必要で,各種の内固定法が用いられる.前脛腓靱帯断裂が高度で遠位
  脛腓関節が離開している例にはねじ釘の貫通固定が行われるが,6週後には抜去しなければな
  らない.

脛骨天蓋骨折

  脛骨遠位端を天蓋(plafond,pylon)と呼ぶ.高所からの落下などでは,この部位に粉砕骨折が起こ
 るが,関節面の修復が困難な骨折である.

   

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