前脛骨区画症候群、下腿三頭筋不全断裂

 
変前脛骨区画症候群(コンパートメント症候群)

13-6

  下腿の前方にある前脛骨筋,長母趾伸筋,長
 趾伸筋および前脛骨動静脈,腓骨神経は1つの
 区画(コンパートメント)内に収められている
 (図13-6).この区画は脛骨,腓骨,骨間膜およ
 び比較的厚い筋膜で被われている.脛骨骨折や
 深部の挫滅創では,区画の内圧が高まり,静脈
 が圧迫される.静脈還流が障害されて,さらに
 内圧が高まるという悪循環の結果,区画内の筋
 肉,血管,神経の阻血障害をきたす.

  初期症状はうずく痛みであるが,足趾の他動
 運動で痛みが増強し,圧痛も広範囲にみられ
 る.痛みと腫れが刻々と激しくなり,足関節や
 足趾を動かせなくなる.ギプス固定されている
 場合はギプスを切割し,患肢を挙上位とする.
 血圧計を応用して区画内圧を測定し,内圧が
 40mmHg 以上であれば,緊急に筋膜切開を行う.
 
  スポーツなどの過剰訓練を繰り返すことに
 よって起こる慢性型の筋区画症候群もある.後
 区画に痛みを訴えることが多い.過労性脛部痛
 を無視してトレーニングを続けた結果発症する.
 
13-7


下腿三頭筋不全断裂

  ジャンプや着地で踏ん張ったときに,下腿後
 面にビリッとした痛みを感じることがある.中
 年以降に急にスポーツを再開した場合に多い.
 限局性の圧痛があり,つま先立ちが困難とな
 る.アキレス腱よりは近位の腓腹筋の筋腱移行
 部が部分的に断裂している(図13-7).安静によ
 り回復するが,3週間くらいかかる.


   

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