下腿骨疲労骨折、過労性脛部痛

 
 13-3

下腿骨疲労骨折(図13-3)

  激しい運動や長距離疾走後に下腿痛を訴えた
 ら本症を考える.10-15歳の成長盛んな年代に多い.

  骨は荷重時にたわみ,非荷重時で復元している.
 第二次性徴期には身長・体重が急に増大するが,
 骨の強度はまだ十分ではない.大きいたわみが繰り
 返すと,骨に微小骨折が起こり,その積み重ねで
 骨折となる.初期はX 線像に異常がはっきりしな
 いが,2週間後には骨幹部を横断する仮骨が出現する.
 MR 画像では初期から異常所見が明瞭である.
 
  脛骨の上中1/3部に起こるものを疾走型,中央から
 中下1/3に起こるものを跳躍型という.腓骨だけに発
 生することもある.

  スポーツを一時休止し,安静にしていれば自然に
 治癒する.





過労性脛部痛(図13-4)
 13-4

  ランナーによく起こる下腿の痛みである.英
 語圏では“shin splints”といわれているが,
 “shin”は一般用語の「すね」に相当する.
 足関節の10cm くらい上の高さで内側に痛
 みを訴えることが多い.後脛骨筋の脛骨起始部
 に引っ張りストレスが加わって,骨膜の炎症を
 起こす.前脛骨筋の付着部に起こることもある.

  ランニングの開始時に痛みを感じ,しばらく
 すると痛みは軽快するが,長く走っているとよ
 り強い痛みが現れる.翌日には痛みは消失して
 いるが,走り出そうとすると,再び痛みを感じ
 る.まず過重なランニングを避けることが第一
 である.ランニング前に十分ストレッチングを
 行うこと,ランニングフォーム,とくに正しい
 足の運び方を修得することによって予防する.

  痛みを我慢して無理にランニングを続けている
 と慢性型区画(コンパートメント)症候群を起こ
 すこともある.


   

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