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【化膿性膝関節炎】
≫症状と経過
高齢者や糖尿病患者では膝関節穿刺副腎皮質ステロイド薬注入後に起こることがある.急性発症と
徐々に発症する例がある.これまでは副腎皮質ステロイド薬注入後には痛みが軽快していたが,痛み
が軽くならず,むしろ強くなる.そのうちに膝の腫れが現れ,局所が熱っぽくなり,動きも悪くなる.再び
穿刺を受けたときの関節液は従来透明であったものが,濁ってくる.赤沈値は亢進し,CRP
陽性となる.
≫病態
X
線像では軟部組織の肥厚像や関節端の周辺から虫喰い
状の骨破壊像がみられる.関節液の培養ではブドウ球菌の
ような急性化膿性細菌が証明されることは少なく,グラム陰
性菌や嫌気性細菌のことが多い.最近ではメチシリン耐性
黄色ブドウ球菌(MRSA)にも注意が必要である.滑膜炎症は
膝関節腔全体に及び,膝上囊はもちろん膝顆部,内外の
滑膜の谷に拡がる(図12-21).
≫治療
まず安静にし,関節穿刺・排液の後,抗菌薬の注入を試みる.
これで寛解しない場合は持続ドレナージと装具固定を行う.
滑膜の谷部にある炎症肉芽は関節運動によって刺激されるの
で,固定が重要である.除痛と炎症の鎮静を第一と考える
ので,関節の動きはある程度犠牲にせざるをえない.さらに
関節を開いて炎症肉芽と滑膜を切除する.場合により関節
固定術を行う.
【化膿性骨髄炎】
かつては小児の脛骨骨髄炎がしばしばみられた.骨髄炎の
膿汁が骨膜の下を通って,膝関節腔に達し,重篤な膝関節
炎を起こす(図12-22).緊急的に切開排膿が
必要である.
【人工関節後の感染】
人工膝関節の術後感染では化膿性膝関節炎となる.
前述の化膿性膝関節炎の治療に準じるが,異物が
入っているのでより難治性である.
場合によっては人工膝関節の部品の抜去が必要になる.
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