膝の特発性壊死

 
症状と経過

  大腿骨内側顆の一部が血流障害のために骨が壊死してしまう病気である.60歳以上の女性に多い.
 急に膝が痛くなり,初期の痛みはとくに強い.この発症初期の特徴を確認できる例もあるが,できない
 例もある.膝の内側に強い痛みがあり,腫れや関節に水が貯まることなど,特有な初期症状がない例
 では膝関節症と区別できない.

  発症後1〜2カ月ではX 線像に変化がみられないが,MR 画像によって早期診断ができる.初期のX
  線所見は内側顆の荷重部関節面の丸みが扁平となることである(図12-19).続いて関節軟骨直下に
 丸い骨透亮像が現れ,その周辺は骨硬化像を呈する.関節面は陥凹し(図12-20),さらに関節裂隙が
 狭小化して膝関節症に移行する.

病態


  膠原病などに対する副腎皮質ステロイド薬連用に続発するステロイド性もあるが,特発性骨壊死の
 原因は不明である.大腿骨頭壊死と同様に,凸面をなした関節面直下の骨髄には栄養血管進入路が
 限定されるという解剖学的特性が関与していると考えられている.しかし外側顆には発症せず,なぜ
 内側顆にのみ発症するのかはわかっていない.


12-19  12-20

治療

 @壊死範囲が小さい例では自然に痛みが軽快することもある.

 A範囲が大きくて,関節面が陥凹した例には高位脛骨骨切り術が行われる.

 B膝関節症に移行して,激しい痛みが続く例には人工膝関節の適応を考える



 

   

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