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【症状と経過】
高齢者が急に膝痛を訴え,膝が腫れてくる.膝関節症と比べて発症が急激であり,腫れも強く,
局所熱感も伴う.貯留した関節液は濁っているので,化膿性関節炎と紛らわしいこともある.
関節液を偏光顕微鏡で観察し,弱い複屈折性で棒状のピロリン酸カルシウム結晶を証明する
ことによって診断は確定される.X
線像で半月板の石灰化を認める(図12-16).半月板石灰化が
あっても無症状な例が多いが,捻挫などの外傷や他の疾患や手術を契機として発症することもある.
偽痛風発作の疼痛と腫れは数日〜2週間前後で軽快する.発作を繰り返すと神経病性関節症に
似た骨破壊をきたすこともある.
【病態】
ピロリン酸カルシウム結晶(図12-17)がなぜ沈着するのかはわかっていない.恥骨結合,手関
節三角線維軟骨複合体,股関節の臼唇などの線維軟骨や全身の硝子軟骨に沈着することもあり,
軟骨石灰化症という.膝の偽痛風患者には骨盤や手関節のX
線検査を行ったほうがよい.
痛風でも発作性の疼痛が膝関節に起こるが,血清尿酸値が高い.また関節液中の尿酸結晶(図
12-18)は強い複屈折性の針状なので,偽痛風とは鑑別できる.
【治療】
急性発作で腫れた関節には早急に穿刺排液して,副腎皮質ステロイド薬の注入を行う.急性
症状が寛解すれば,膝関節症の治療に準じる.
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