半月板損傷

 
症状と経過

  靱帯損傷とともにスポーツ外傷として頻度が高い.ジャンプ後の着地,疾走中の急激な停止,
 相手との衝突などで,下肢に体重が加わった状態で膝関節に異常な回旋力が加わって損傷される.
 受傷直後には激しい痛みがあって踏み立てられない.急性期を過ぎると次の3症状が残る.
 
 @膝の屈伸に際してコクン,ガクンという音がする〔クリック(click)〕.
 A立位歩行中に膝に力が入らなくなり,膝崩れ(giving way)が起こる.
 B膝がある角度で鍵をかけられたようにロックされる〔ロッキング(rocking)〕.

  患肢をかばうので,大腿四頭筋がやせてくる.さらに関節に水が貯まる.痛みやクリックを誘
 発する徒手検査法によって臨床診断が付き,関節造影やMR 画像によって確定診断ができる.

病態


  膝関節の関節面は丸く突出している大腿骨下端が水平な脛骨上端に乗っているので,軟骨面間
 には隙間がある.この隙間を埋めているのが半月板(メニスクス)という線維軟骨である.膝の屈
 伸にともなって半月板が微妙に移動して,膝のどの角度でもぴったり適合できるようになっている.
 半月板が損傷されると,この微妙な調整ができなくなる.ちぎれた半月板が関節面間にはまり込ん
 だり,外れたりするたびにクリック現象が起こる.完全にはまり込むとロッキングを起こす.
 縦断裂,水平断裂,横断裂などに分類されている(図12-8a,b,c).縦断裂の破断片が大きく
 移動してバケツの柄のようになることあるが,もっともロッキングを起こしやすい.

  半月板は発生途上では円板状であるが,この形状を残したままで発育する例があり,円板状メ
 ニスクス(図12-8d)といわれる.小児期から著明なクリックが起こり,損傷されやすい.明らかな断裂が
 みられなくても,膝関節症では半月板が損傷されていることが多い.

12-8
12-8


治療

 @クリックが起こる動作をできるだけ避け,
  膝伸筋の訓練を行う.

 Aクリックと膝くずれが頻繁に起こり,大腿
  四頭筋がやせ,関節に水が貯まるようにな
  れば手術の対象となる.関節鏡視下の手術
  により,半月板の部分切除や縫合術が行わ
  れる.


   

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