膝の捻挫、靱帯損傷

 
症状と経過

  膝関節に外傷を受けたときには,骨折がなくても簡単に「いわゆる捻挫」と片づけてはならない.
 膝をひねって転倒したときに「ブツッ」,「ガクッ」という感じがして,直後に足が踏み立て
 られない場合は靱帯損傷や半月板損傷の可能性がある.サッカーやラグビーで足が相手選手に
 引っかかって転倒したり,スキーが何かに引っかかって転ぶ,バレーボールやバスケットボール
 でジャンプ後の不安定な着地などで倒れるなど,膝に介達外力が働いて受傷することが多い.

  自発痛,圧痛があり,関節が腫れて,関節内に出血する.膝関節に外反と外旋力が加わると,
 まず内側側副靱帯(図12-7a)が損傷され,回旋力が大きいと前十字靱帯が損傷され(図12-7c),
 さらに半月板も損傷される.内側側副靱帯の大腿骨付着部付近が損傷することが多く,この部位
 に圧痛を認める.膝に外反ストレスを加えると,内側に激しい痛みを訴える.

病態

 
  側副靱帯損傷では内反・外反ストレス,十字靱帯損傷では押し込み・引き出しストレスによる
 不安定性の程度によって3つの程度に分類される.

 第1度:圧痛のみで不安定性が認められないもの.
 第2度:靱帯の部分断裂で不安定性を認めるもの.
 第3度:靱帯の完全断裂で激しい不安定を認めるもの.

  しかし受傷直後で激しい痛みを訴えている患者さんに,さらに痛みを誘発するテストは慎重に
 行わなければならない.急激なストレスを加えるのではなく,重錘などを使って緩徐なストレスを加える.

 内側側副靱帯損傷では a:外反テスト,
 外側側副靱帯損傷では b:内反テスト,
 前十字靱帯損傷では c:引き出しテスト,
 後十字靱帯損傷では d:押し込みテストが陽性となる(図12-7).

12-7


治療

 @不全断裂ではギプスや装具によって保存的に治療する.
 A完全断裂では新鮮時に手術的に修復することもある.
 B陳旧例では不安定感が残り,急に膝くずれ(giving way)が起こる.各種の靱帯再建術が行われる.
 C新鮮例,陳旧例ともに膝伸筋訓練が重要である.


 

   

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