幼児の膝痛、ベーカー膝窩嚢胞、
           膝蓋前方滑液包炎、膝の腫瘍

 
幼児の膝痛

  膝痛を訴えて受診した幼児で,膝にはっきりした他覚的所見がみられないことが時々ある.
 ペルテス病,単純性股関節炎など股関節の疾患に起因している可能性も考える.潜在性二分脊椎に
 合併する終糸緊張症候群による症状も考慮しなければならない.
 
  次の3症状を確かめる。
 @夜になると膝や足が痛いというが,膝をなでてやると寝てしまい,朝起きると元気に飛び回っている.
 A同じ姿勢を続けていられず,ちょろちょろと落ち着かない.
 Bおむつが外れる時期が遅れ,幼稚園や小学校に入っても時々おねしょをする.

ベーカー膝窩嚢胞

 
  膝の後方にみかん大の塊がみられ,張った感じがする(図12-27).膝窩部にはもともと滑液包
 があり,膝関節と細い管で連絡されている.膝関節症など膝が腫れる病気では,関節に貯まった
 水が滑液包に押し込まれる.関節液が粘っこいので水分は膝関節に戻れるが,粘っこい成分は戻
 れずに貯まってしまう.穿刺するとゼリー状のものが吸引されることが多い.自然によくなる心配の
 ない病気で,強く腫れたときに穿刺を受ければよい.

膝蓋前方滑液包炎

  膝蓋骨の前方にある滑液包に水が貯まる(図12-28).

 12-27  12-28

膝の腫瘍

  大腿骨下端と脛骨上端にはいろいろな腫瘍が発生する.悪性腫瘍では症状が常に進行性で,振
 り返ってみると痛みが月ごとに増強している.

<骨肉腫>
  少年期に好発する悪性腫瘍である.ちょっとした外傷を契機に受診して発見される例が多い.
 しかし初発症状として膝の痛みを感じる例は少なく,下肢に力がよく入らないということが多い.
 膝上の筋肉が衰える.

<骨巨細胞腫>
  40歳以後に多い.X 線像で骨端部まで及ぶ囊胞状の骨透明巣を認める.良性と悪性があり,
 組織学的に診断される.

<骨軟骨腫>
  骨性の隆起が􌴥骨上端や大腿骨下端に触れる.良性腫瘍であるが,多発性のこともある.

<滑膜肉腫>
  膝関節の滑膜周辺に初発する.



   

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