ステロイド関節症、神経病性関節症

 
ステロイド関節症

  膝関節内副腎皮質ステロイド薬注入は痛みを軽くし,滑膜炎症を抑える効果がある.しかし頻回に
 行うと骨破壊が起こる.痛みが抑えられたために関節に無理がかかる.副腎皮質ステロイド薬は変
 性軟骨を修復する効果はなく,かえって軟骨変性を促進し,さらに骨を萎縮させる.関節に荷重され
 ているとか,関節の位置など感じ取っている固有感覚の麻痺も加わって,急速な関節破壊が起こる
 (図12-23).

  初期には脛骨内側顆が圧潰される.外傷性の骨折と異なり,骨折片がばらばらになる傾向があり,
 骨膜反応もみられない.内反変形が急速に増強して患肢で立てなくなる.反応性増殖を伴わない
 骨破壊が急激に進むところは神経病性関節症と類似している.

≫治療
  人工膝関節以外に有効な方法はない.
 ただ1回の副腎皮質ステロイド薬関節内注入後に急激な痛みと腫れが起こることがある.ステロイドの
 結晶が刺激となって起こる結晶性滑膜炎の1つである。

12-23

12-24

神経病性関節症


  シャルコー関節ともいわれる.脊髄癆,脊髄
 空洞症, 脊椎破裂,重症糖尿病などによって
 痛覚が消失した場合に発生する.痛みをほとんど
 訴えないので,歩行異常や関節腫脹によって気が
 付く.原因がよくわからない関節水腫が続く場合に
 はこの病気を考える.
  膝関節に広範な破壊像を認め,亜脱臼となる
 (図12-24).

≫治療
  まず杖の使用,装具の着用を勧める.
 関節固定術の適応となるが,人工膝関節の適応
 はない.


   

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