| ペルテス病 | |
| 【症状と経過】 幼稚園児から小学校低学年の男児に多い.発病初期に大腿部から膝が痛いと訴えることが多く, 股関節痛を訴えるのが遅れる傾向がある.幼稚園や学校からの帰りに肩を振って歩いてくる. 本人が無意識に跛行しているので,ふざけていると親が勘違いして注意すると,跛行せず普 通に歩くことがある.無意識の跛行によって痛みを回避している故に,痛みの訴えよりも歩き方 をよくみていることが重要である.股関節の外転が制限され,屈曲・内転拘縮となって患肢が短 く感じるようになる. 【病態】 大腿骨頭への栄養血管が一時的に閉塞して,骨端核が壊死に陥る病気である.血管閉塞がなぜ 起こるのか,なぜ発育期男児に好発するのかを説明できる原因は不明である.壊死そのものは一 時的で,修復される.しかし壊死骨は荷重に弱いので,骨頭がつぶれて扁平となり,寛骨臼との 適合が悪くなる. 初期には骨の変化はみられなく,内側の関節裂隙が少し広くなるくらいで,単純性股関節炎と の鑑別が困難である.壊死となった骨端核はX 線像では硬化像を呈し,扁平となる(図11-15a). 発症後2〜3年で,壊死になった骨に再生血管が入り込み,肉芽組織で吸収され,さらに新しい 骨組織で置換され,X 線像では分節像となる(図11-15b).壊死骨の吸収と骨新生が進み,3〜4年で 骨修復が終了し,変形が残る(図11-15c).変形骨頭に対応して寛骨臼も変形する.残った変形と 適合不良が変形性股関節症の原因となる. 【治療】 ・発症年齢と壊死部の大きさ,および荷重部にかかる壊死部の範囲によって予後が異なる.壊死 部が小さく,側面像で前方に限局している例では,自然経過をみる.壊死範囲が荷重部に大き く占めており,骨端線まで障害された例では予後がよくない.発症年齢が8歳までは予後がよ く,9歳以後は予後不良である. ・壊死部がつぶれることを防止することが治療原則である.免荷装具を長期間つける方法もある が,子どもの心理的影響もあるので,最近はあまり行われない傾向にある. ・治療期間を短縮するために手術が行われる.大腿骨頭が寛骨臼蓋の下に十分に包み込まれるこ とを目的にして,大腿骨骨切り術や臼蓋補正手術が選択される. |
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