股関節の関節リウマチ、寛骨臼底突出症
 
症状と経過
 
  股関節にリウマチ病変が現れる頻度は思ったより高い.先行した膝関節,足関節や足の障害の
 ためにあまり歩かなくなっており,股関節の腫れは目立たないので,股関節の障害に気付くのが
 遅れる傾向がある.経過の長いリウマチ患者さんには股関節痛の有無を確かめ,定期的にX 線
 撮影を行う必要がある.股関節の痛みが進むと,あし(脚)が持ち上がらなくなり,車に乗るとき
 に手で自分のあしを持ち上げるようになる.

病態

  初期には骨軟骨の病変がみられないが,滑膜炎症による股関節周辺の軟部組織の腫れがX 線
 像で認められることがある.中期には関節裂隙が狭くなり,骨萎縮や辺縁びらん像がみられる.
 進行期には骨破壊像がみられ,関節裂隙が消失する.末期には骨破壊が進み,骨頭や寛骨臼の
 一部が消失する(図11-13).

《鑑別診断》
  強直性脊椎関節炎では仙腸関節の破壊・癒合の所見,股関節結核は片側性であることにより鑑
 別される.

11-13


寛骨臼底突出症
11-14


  寛骨臼の内側すなわち底が骨盤腔内に突き出
 す病変(図11-14) を寛骨底臼突出症といい,次
 の種類がある.

 《リウマチ性》
  リウマチ病変によって寛骨臼底部が破壊され
  るが,残った皮質骨が荷重によって変形して骨
  盤腔に突出する.

 《一次性》
  特別な原因が特定できない.骨粗鬆症や中心
  型股関節などが基盤になっている可能性がある.

治療

 ・杖や歩行補助具により負担を軽減させる.

 ・生活背景や本人の希望により人工股関節手術
  を行う.


   

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