大腿骨頭壊死
 
症状と経過

  血流障害のために大腿骨頭の一部が壊死してしまう病気である.膠原病などに対する副腎皮質
 ステロイド薬連用に続発するステロイド性,アルコール類の常習的多飲によるアルコール性,特
 定の原因が不明な特発性に分けられる.ステロイド性は20〜30歳にも発症するがアルコール性と
 特発性は壮年期以後に多い.男性が女性の2〜3倍の頻度とされている.約50%が両側に発症する.

  階段を踏みはずしたなど軽い外傷を契機にして,急に股関節痛を覚えることが多い.この初期
 の急性疼痛はすでに骨頭壊死に陥っていた大腿骨頭が,軽微な外力によって微小骨折を起こすこ
 とによる.しかし初期の痛みは短期間に軽快するので,あまり自覚していない患者さんが多い.
 痛みが持続的になり,股関節の動きも悪くなり,歩行障害が目立つようになる.

病態

  骨頭の壊死は頭頂部の前方に発生することが多い.初期例では,骨頭の軽い骨硬化像があるか
 ないかという程度の変化なので,単純X 線正面像だけでは診断がつかないこともある.
 股関節90°屈曲,45°外転位の側面像撮影が必要であり(図11-11),MR 画像は初期病変も
 検出可能である.  

  壊死に陥った部分は微小な外力によってつぶれ,骨頭の変形を起こす(図11-12).関節面の
 適合が不良となり,変形性関節症に移行する.

11-11
11-12


治療

  壊死部の大きさと場所によって経過が異なる.壊死部が小さく,臼蓋荷重面の内側に限定され
 ていれば,症状が自然に寛解する.壊死部が大きく荷重面に当たっていれば手術の対象となる.
 大腿骨の骨切り術によって荷重面を移動する手術,人工骨頭置換術,人工関節置換術などが
 行われる.


   

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