指先部の化膿性炎症

 
症状と経過

 先は外傷を受けやすく,汚い異物が入り込むことも多い.
 瘭疽(ひょうそ)は指先の指腹部の化膿性炎症で,発赤,腫脹と拍動性の激しい痛みを起こす
特徴がある(図10-17).
 爪周囲炎は爪郭の化膿性炎症である.爪郭は爪の両脇の溝のことである.爪周囲のさかむけ,
深爪などが原因となる.爪周囲の発赤,腫脹,圧痛を訴える.爪の下に膿瘍が貯留する(図10-18).

病態

 指先の腹,すなわち指腹は英語でfinger pulpという.pulpは果肉,髄という意味で,指腹は
特殊な構造を持っている.末節骨掌側から皮膚に向かって線維性の隔壁があり,小囊を形成して
その中に脂肪を含んでいる.この部に感染が起こると,膿汁が小囊に貯留し,内圧が高まって,
激痛をきたす.
 爪郭に始まった炎症は爪の下の爪上皮に拡がる.内圧が高まって爪を押し上げるので,激痛を
きたす.
 このような特殊な構造によって,指尖部の化膿は難治性になる傾向がある.

10-17 10-18 

治療

 ・初期には抗菌薬の投与と局所の冷却を行う.
 ・膿瘍が貯留すれば切開排膿の必要がある.瘭疽では側方縦切開で排膿する.
 ・爪周囲炎では爪の部分切除を行う.

   

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