転移性頚椎腫瘍,パンコースト腫瘍,
 破壊性脊椎関節症
 
転移性頚椎腫瘍

 頑固な頚肩腕痛が続き,保存療法で改善傾向がみられない場合は,本症を念頭において診断を
進める.単純 X 線像でも骨破像を検出できるが,疑わしい例には積極的に MRI 検査を行う.


パンコースト腫瘍

 肺尖部に発生した肺がんが胸壁に浸潤して,頑固な頚肩腕痛の原因となっていることがある.
下位頚椎から出る神経を侵すことにより,最初のうちは腕の内側が痛くなり,腕の痛みやしびれ
を起こす.背骨の横の交感神経が侵されると,肺がん側の目が細くなる,瞳孔が小さくなる,汗
が出なくなるといった症状,すなわちホルネル症候群が出現する.肺尖部の肺がんは鎖骨などの
陰影が重なるので,見逃されやすい疾患とされている(図 1-22,23,24).頚肩腕痛を訴える患者に
対しては本症の存在を念頭において診察しなければならない.
1932年 H. Pancoast が特殊な症状を呈し,見逃されやすい肺がんの一型を報告した.



1-22 23 24 


 1-25


破壊性脊椎関節症


 長期透析患者にアミロイドが蓄積して脊椎や
関節に破壊が起こる.頚椎は好発部位で,5年
間以上の透析患者 20-30%に認められる.頚肩
腕痛,頚椎の不安定感を訴える.椎間板を挟ん
だ椎体の辺縁に骨破壊像が現れ,椎体全体の破
壊が進行する.上位の椎体が前方あるいは後方
へすべり込んだり,後弯変形を起こす(図 1- 25)。
治 療 は 頚 椎 カ ラーを 着 用 す る.安 静 に
よって組織破壊の進行が停止して,安定化する
例もある.進行例には手術的に固定する.


  

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